よくある質問
銅像、胸像、ブロンズ像を制作するにあたって、お客様よりよくいただくご質問をご紹介します。
- 銅像・胸像 制作について
- 注文・価格・納期について
- 除幕式・記念品について
- その他
金属は耐圧性、耐摩耗性、耐食性、被削性、鋳造性を向上させるために、他の金属と合金にして用いることが多いのです。
銅像は一般的に青銅(ブロンズ)という銅合金で作られます。これは、銅が約8割と錫などとの合金で、加工もしやすく、鋳肌も美しいことから工芸品の材料として使われます。
10円玉も青銅で作られています。他にも用途によって、リン青銅、アルミニウム青銅といった合金も用いられることがあります。
コスト、耐久性、表現力などから、注文生産による人物像としては用いられません。屋外彫刻の素材としては、アルミニウムや鉄もありますが、人物像の素材としてはほとんど使用されません。これは、銅合金の方が耐食性があること、また、安全性が高いこと、素材感がよいことによるものです。
まず、粘土で原型を製作し、原型を型取りして石膏に置き換えます。その後石膏をもとに鋳物砂で鋳型(外型)を作ります。この時、鋳物を中空にするために、中子型(なかごがた)をつくります。外型と中子型をセットして、その隙間に溶けた銅合金を流し入れます。鋳物は肉厚が数ミリの中空となります。その後鋳型を外し、バリなどを削る仕上加工をし、着色を施します。
他の建造物やモニュメントのような塗装ではなく、薬品を用いて鋳物の表面を化学変化させる方法によるものです。塗装の場合は金属表面に塗料を塗布するため、完成時がもっともよく、以降は劣化していくだけですが、薬品を用いて金属表面を変化させる伝統的着色法では、年を経るにつれ化学変化が進み、最終的には青黒い青銅色に落ち着きます。これは全面を緑青が覆い尽くし、安定した状態になる結果であり、環境にもよりますが、10年から50年ほどかかります。
本来は、前、後、左、右、斜左、斜右、の6枚の写真が必要ですが、物故者の場合は用意できない場合が多いので、参考になる写真をできるだけそろえた上で、最も印象が似ている写真を指定します。
機械的に造形するので、本人と寸分たがわない銅像ができますが、個性、芸術性に欠けるということがあります。作家の造形と比較すると、写真と絵画の違いのような感じだと思います。また、本人がいないと撮影できないので、物故者の場合はできません。価格については作家の造形と比較して、小さなサイズの場合は安く、大きなサイズの場合は高くなる傾向があります。
原型製作は、最初は写真を元に粘土原型を製作し、その上で依頼者に見てもらって修正するという手順となります。長時間ポーズを取る必要はありません。
粘土原型時点でしっかり確認し、納得いくまで修正することが必要です。できた銅像が思ったものと違ってもキャンセルはまず不可能ですので、改めて発注して作り直すことになります。原型確認の時、実際に設置するロケーションと同じような位置、採光で確認しないと、イメージが異なる場合があるので注意が必要です。また、見る人によって銅像の人物に対するイメージも異なります。決定権者がだれであるかをはっきりさせ、後々問題とならないようにすることが大切です。
車でも1年間メンテナンスなしで屋外に放置しておけばぼろぼろになってしまうように、ブロンズ像でも全くメンテナンスをしなければ、酸性雨や鳥の糞などで腐食が進み、取り返しのつかないことになる場合があります。年に数回でいいので水洗いすることをお勧めします。水洗いでとれない汚れが付いてしまった場合や腐食が進んでしまった場合には、専門業者に依頼した方がいいでしょう。見違えるほどきれいになります。
特に屋外に設置する場合、ロケーションにより思ったより小さく見えることがあるので注意が必要です。台座のサイズによってもイメージが大きく違ってきます。座像や銅像の場合は、同じ縮尺でも立像以上に小さく見えることがあります。
銅像専門の原型作家の場合、似ていないなどのリスクは全くない上に、比較的安価に作ることができます。著名な彫刻家の場合、単に似ているというだけでなく、芸術作品としての価値が付随してきますが、当然価格は高いものになります。目的や予算に応じて選ぶようにしましょう。
基本的には、依頼者に作家のアトリエに来てもらって修正、確認をする場合が多いのですが、作家によっては粘土原型を持って依頼者を訪問することも可能なことがあります。その場合は別途出張料がかかります。
ただし、込み具合によって製作期間は変わってきます。場合によってはもっと短期間での製作も可能なケースもありますし、作家によっては原型製作に何カ月もかかる場合もあります。
必ず必要という訳ではありませんが、たとえ小規模であっても、関係者を招待して除幕式を行った方が、多くの人と喜びを分かち合えて、記念にもなっていいと思います。除幕式の標準マニュアル、幕などを用意してくれる専門業者もあります。